スポットライトでの気遣い点

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美術館・博物館で使われる照明器具の主役としてはスポットライトになるかと思います。
天井からぶら下がっていて、光の範囲が割と狭いタイプの照明器具ですね。

私がスポットライトを作るときには、先ずはその光の拡がり方に気を付けています。

具体的に気を使うポイントとして、海外で見かけたちょっと宜しくない感じの光を例に説明しますと、

第一は光の周辺部のスムースさです。
通常、スポットライトからの光はその中心部から、周辺に向けて徐々に暗くなるよう作ります。この光の落ち方の度合いをスムースにする事が大事です。
少しでもその変化の度合いが一定でなくなると、人はその部分に輪郭を感じてしまい、作品鑑賞の邪魔をしてしまいます。
また、照らしている対象から遠く離れたところに、割とくっきりとした明るさの変化が生じる部分が出たりします。これも同じく輪郭を感じてしまうところで宜しくありません。

また、照明器具そのものが照らそうとしている方向以外に光を漏らしてしまうケースもあります。このようなものですと、展示室の天井が賑やかになってしまい、展示室全体の印象が雑然としがちで、やはり作品鑑賞の邪魔となってきます。

スポットライトを作る際の基本はこの辺りのお行儀の悪さを取り除いておくことはじめの一歩です。

大昔にハロゲンランプを光源として使っているときは、この辺りのコントロールは割とやりやすかったのですが、LEDの場合ですと、発光の仕方が異なるために、ハロゲンランプを光源とするのと同じやり方は通用せず、少し面倒な光学系を用意する必要があります。
この当たりのコツは後日まとめて見たいと思います。

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