照明

つやつや作品のための照明

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

これまでに絵画、彫刻、工芸などいろいろな作品と向きあう照明器具を作ってきましたが、一番難しいなと感じたのが、なめらかな釉薬がかかった陶器と、状態の良い漆器です。
この両者とも、表面が非常になめらかで、照明器具がバッチリと映り込みます。表面が極度になめらかでない作品ですと、照明器具の映りこみは気にならないので、照明器具の発光面はどんなものでも良いのですが、陶器や漆器ですと照明器具の発光面の形状などが案外重要なポイントになります。
また、光の振る舞いについて別のいい方をすると、その作品相手に投じた光がその表面で正反射し、光が飛んできた方向と逆の方向に飛んで行ってしまいます。
陶器や漆器の場合は当然のことながらその表面に色や模様などがあり、それらが鑑賞対象になるのできちんと見たくなります。しかしながら前述したようになめらかな表面が災いし、なかなか思い通りに鑑賞者に満足な量の光が届かないこと良くあります。

このような照明を設計していくのは、シミュレーションなど机上での検討はほぼ役に立たず、実物と同じ寸法的な環境を用意し、実験していくしかありません。

(これは照明実験の風景です。手前と奥の影の大きさなどが確認事項でした。案外と面倒臭いことをやった上での光です。)

その環境で見せるものが一定(同じもの)であれば、専用の照明環境を作れるのである程度の質に持って行けますが、一般の展示ケースの様に展覧会の度に展示される作品が変わる場合(99%位こちら)には、何を入れてみても一定の妥協が生じます。この辺り、仕事の数だけ後悔が生じる理由だったりもします。

つやつや作品は難しい分だけに、美術品相手の照明器具屋としては歯ごたえ十分で一番面白い対象なのかも知れません。

※美術館・博物館での照明を作ってみたい方を募集しています
株式会社キテラスでは美術館・博物館で使われる照明器具を作りたい方を募集しています。
ご興味のございます方はこちらをご覧下さい。

関連記事

  • せっかくリニューアルするのであればせっかくリニューアルするのであれば 全くの新規から作る美術館・博物館での仕事ばかりではなく、照明器具の入れ替えだけの仕事もぼちぼちとございます。 このような仕事の場合、 […] Posted in 照明, 設計
  • いい仕事でした。いい仕事でした。 昨年の秋くらいから参画した、新しい美術館での仕事が一段落しました。 展示設計、照明設計、展示ケース設計、いずれの分野においても、私が […] Posted in 照明, 設計, 経営, 採用
  • 少しだけ目立つクラブ活動少しだけ目立つクラブ活動 10月3日から京都国立博物館ではじまる国宝展に、技術協力との形でお手伝いさせていただいております。 この様なところに社名が出るような活動 […] Posted in 照明, 設計, 経営, 道楽
  • 保護と鑑賞の折り合い保護と鑑賞の折り合い 美術館・博物館での照明を考えて行くときに、必ず議論の対象となるのが作品の保護と鑑賞の矛盾についてです。 作品を少しでも遠くの未来まで […] Posted in 照明, 設計
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*