照明

製品を作るためのきっかけと熱量

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このところ久しぶりに展覧会の照明調整をする機会が続きました。

プライベートな時間に美術館・博物館に出かける時に、解説を読むこと無く会場全体を眺めつつ歩きながら、心に引っかかる作品があると解説を読む事にしています。
この引っかかる作品の殆どは、評価が確立している作者のものだったりします。歴史に名を残す仕事は、他とは違う何かを持っているのでしょうか。

この感覚は照明調整をしているときでも同じ様な事があります。
名品とされているものは、光の当て方をちょっと変えるだけで、その印象が大きく変わります。この印象の変わり具合と世の中の評価との間には割と高めの相関を持った正比例の関係があるように思います。この辺の不思議感が今の仕事を続けて行ける原動力なのかなと思っています。

展覧会の照明調整仕事では、自分で作った照明器具ばかりで無く、他社さんの製品を使ったりします。
自分で作るものは、その製品を作るときに、自分の実体験の中から、「あれをよく見せるには、こんな光がいいんだよなあ~」との仮に決めた照明対象がある場合があることが殆どです。現場でその想定通りの対象を照らす事が出来たときのは決まった感はかなり心地良いものです。

現場仕事をしていると、こうやって照らしたいとの欲求と、その場にある照明器具との間にギャップがあることが心底実感できて、あれが作りたい、これが作りたいとの思いが沸騰してきます。作る人間、特に本当のところでの製品設計が出来るスキルを持った人間が、実際にその製品を使う場面に身を置く事は、製品を作る上で極めて重要かつ強力な手段だと思いました。私が知る限りでは、美術館・博物館の展覧会現場で他の照明器具メーカーさんの設計者(照明計画では無く製品の設計ね)が照明調整作業をやっている場面に出会ったことがありません。この点は、私たちに取っては大きなアドバンテージになっているかなと思います。

幸いにも、ある程度のリソースを動かせる立場で仕事をしているので、このリソースを賢く運用して、多くの美術館・博物館の鑑賞環境を良くしていける製品を作って行きたいです。

これは、単なるイメージです。昨年ウィーンで見た景色です。とても絵画が見やすい良い環境でした。

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