2つめの曜変天目

2つめの曜変天目

2年前に京都国立博物館で開催された国宝展にて龍光院所蔵の曜変天目茶碗の展示用照明をお作りするありがたい機会がありました。
この時は照明計画、照明器具の設計と作製、実際の展示照明調整作業、と展示照明全部入りの仕事でした。
今、思い出しても楽しい仕事だったな~と心底思います。

この春、ありがたいことに別の曜変天目を照らす事に係わる事が出来ました。
奈良国立博物館で開催中の藤田美術館展に出品されている曜変天目茶碗の照明器具を提供させていただきました。
今回は照明計画と照明調整作業は私ではなく、プロフェッショナルな方の手によるもので、照明器具の提供だけに留まっております。
展示作業にも立ち会い、つぶさに鑑賞する事が出来ました。実に眼福な体験です。

光量を上げて行くと、青色の文様だけが浮き上がりそれはきれいな様になるのですが、どうしても釉薬の表面で照明光の反射が生じ、見ずらさも出てきてしまい、このバランスを取るのが難しいところです。地の黒い部分はしっかりと光を吸収する様で、どれだけ光量を上げて行っても黒いままです。ここがホントに不思議で魅力的です。
龍光院さんのものも同じ様な傾向でして、地の黒色部分の光の吸収具合もあの青色の班の発生する要因と関連があるのでしょうか。素人には全然判らぬところではありますが・・・・・

展覧会会場では、NHKさんが8Kカメラで撮影したビデオが放映されています。
こちらはまさに目から鱗の映像でして、「こんな風になっているんだ~」と素直に感嘆する映像でした。展覧会会場でしか拝見できない様ですが、これだけを見に行っても損はない映像だと思います。こうした映像を見せられると、実物を見せるための展示照明の仕事もずっと存在しえるのか、一抹の不安を覚えました。

3つある国宝の曜変天目茶碗の内、2碗については展示で係わる事が出来ました。ここまで来ると、欲が出て残りの1碗である静嘉堂文庫さんの曜変天目の展示もお手伝いして見たいものだと思いますが、こちらはお日様がライバルになりますので、ちょっと出番は無いですかね~

こうして、古くから伝え残されてきた、奇跡のような逸品を眼前に出来る仕事がありがたいと思えるのと、こうしたものを伝え残してきてくれた、先人達にひたすらに感謝する次第です。

いつの日かこうした仕事をいただけるよう、精進を重ねて参ります。

oznor

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