ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし

ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし

泉屋博古館分館で行われている「特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」展のブロガー内覧会に参加してきました。蒸し暑い季節に涼やかな浴衣の世界。普段、浴衣を着ない私でも思わず来てみたくなってしまうような展覧会でした。

特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし@泉屋博古館 分館

今回の展覧会は昨年島根石見美術館で開催されたものを雰囲気を変え、今年は泉屋博古館分館、川越市立美術館、来年は泉屋博古館、長崎県美術館で開催される予定で、3年に渡って巡回します。

今回のイベントでは、この企画展を担当されている泉屋博古館分館 学芸員の森下愛子さんのお話を伺えました。写真は特別な許可をいただいて撮影しております。

展示風景より 17世紀後半の武家男性のゆかた 江戸前期のゆかたで蒸し風呂用の麻でできたもの。バスローブ的に使われたと考えられる。蒸し風呂や町風呂の風呂文化が発達して、ゆかたを湯後に着るようになったそう。

ゆかたはそもそも湯帷子(ゆかたびら)という湯後や蒸し風呂の際に着用した着物が江戸中期以降夏の衣装として発達して、今の形の浴衣になったそうです。

展示風景より 現代のゆかた

美術館でゆかたを展示することはあまりなく、今回は貴重な機会となっています。ゆかたは染色が傷みやすく、年間3~4週間の展示が限界で、今回も前期と後期でほぼ入れ替わる予定です。

今回の展示では、江戸、明治、大正、昭和、平成の型染めのゆかたが多く展示されています。型染は文字通り、型を使ってゆかたの生地を染める手法ですが、その型紙の多くは関東大震災で失われてしまったそう。

展示風景より ゆかたの型紙 柿渋で加工された和紙製の型紙
展示風景より 左側は朱色が特徴的な18世紀前半のゆかた。大胆で装飾的な柄のゆかたが湯後のみから、盆踊りや花火大会など様々なシーンで着られるようになった標本となる

ゆかたの注文は、小袖雛形本と呼ばれる見本帳から模様を選び、地色や技法を決定して注文したとのこと。

展示風景より 型染見本帳
展示風景より 右側のゆかたは着崩したときに粋に見えるよう裏まで染が施されている

ゆかたは普段着として使われていたため、江戸中期以降は和木綿の肌になじむ素材で作られていました。それゆえ、着古した後は座布団やおしめとなり、現存するものはかぎられているそう。

また、戦後は型染職人が減り、型染の技術自体が貴重なものとなりました。展覧会では、人間国宝である松原定吉を祖父に持つ松原伸生氏の仕事の様子を映像で流しています。

きもの割引や、松原伸生氏の講演会、七夕コンサートなども企画されています。蒸し暑い季節、ゆかたの世界ですずしさを探してみるのも面白いかもしれません。

information

【特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし】

会 期  2019年5月28日(火)~7月7日(日)
※前後期で大幅な展示替えを行います。
前期:5/28(火)~6/16(日) 後期:6/18(火)~7/7(日)
会 場  泉屋博古館分館[東京](東京都港区六本木1-5-1)
問合せ  ハローダイヤル 03-5777-8600
休館日  月曜日
開館時間 10時-17時(入館は16時30分まで)
主 催  公益財団法人泉屋博古館
協 力  東京文化財研究所、松原伸生
後 援  港区教育委員会
企画協力 株式会社イデッフ
webサイト https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html

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