道楽

癒しの風景に発見の喜びあり!バルビゾン派から印象派への架け橋ドービニー展

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シャルル・フランソワ・ドービニー展

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催の『バルビゾン派から印象派への架け橋シャルル・フランソワ・ドービニー展』のプレス内覧会に参加してきました。19世紀フランスを代表する風景画家シャルル・フランソワ・ドービニーの国内初の本格的な展覧会で、山梨県立美術館、ひろしま美術館での開催を終え、2019年4月20日(土)~6月30日(日)が損保ジャパン日本興亜美術館、そして2019年9月10日(火)~11月4日(月・祝)が三重県立美術館と巡回していきます。

プレス内覧会では主任学芸員の小林晶子さんのお話を伺えました。また、今回は特別な許可をいただいて撮影しております。

国内初展覧会となるシャルル・フランソワ・ドービニーとは

キャッチコピーに「モネも愛した”水の画家”」とあるように、ドービニーは印象派ではありませんが、印象派に大きな影響を与えたとされます。

展示風景より

「ドービニーは展覧会などではバルビゾン派で括られることも多いですが、ミレーやルソーに比べるとバルビゾン派の中では端っこの位置づけになります。それは、バルビゾンにあまり滞在していないせいもあります。しかし、印象派に多くの影響を与えました。
ドービニーは写実主義の画家としてリアルさが受け入れられ、サロンで活躍しましたが、本物の自然を現前化させるような表現に対して、保守的な批評家たちからは印象を荒描きしたにすぎない、未完成にすぎないと非難されました。印象派への批判と同じキーワードです。印象派の画家たちはサロンで活躍するドービニーもそう言われていることに勇気づけられたはずです」(小林さん)

展示風景より <オワーズ川の中州> <ボッタン号>

また、アトリエから出て絵を描くという自然に対する姿勢も印象派に多大な影響を与えました。アトリエ船、ボタン号、ボッタン号で各地を巡り、河川の風景を多く描きました。

そして、現実の支援としては画商ポール=デュラン・リュエルをモネに紹介したりもしました。

損保ジャパン日本興亜美術館の1階ロビー

そこらへんのドービニーの人物については、美術館の一階ロビーで紹介アニメーションが流れているのでそちらを見ると分かりやすいです。このアニメ、カエルが語り手で、かわいい上によくまとまっていておすすめです。ドービニーの人生や交友関係、画家としての魅力など概要が約7分間でわかります。

観察力を鍛えるのにもおすすめ

今回、はじめてじっくりドービニーの作品を見たのですが、絵として美しいのはもちろん、最近流行りのアート鑑賞から観察力を磨くようなことに興味ある方にとても良いのではないかと感じました。

それはなぜか。観察を必要とするポイントが散りばめられているんです。風景画なので美しいなあ、〇〇があるなあといった楽しみ方でも十分楽しいです。それに加えて、まず何が描かれているかを見て、タイトルや解説から答え合わせができるような作品が多いと感じました。

学芸員の小林さんのお話の中で、

「ドービニーはちょちょっとしたタッチで水鳥や泳ぐ人なんかを描いています。後の印象派のタッチにつながっていく描き方です。風景の中からそんな部分を探してみるのも面白いです」

との行があったのですが、確かに水鳥やニワトリ、カモ、うさぎといろんな動物が描きこまれています。

展示風景より

<オワーズ川、朝の効果><池の鴨、日没>など、タイトルの付け方も風景画なので具体的なものが多いです。何が描かれているのか観察してから、タイトルを見るのにちょうど良いポイントです。

展示風景より 版画は今回3作展示されています

また観察対象にぴったりな動物ですが、今回展示されている版画作品の動物たちはとってもかわいいです。羊がもこもこです。それだけでなく、版画は当時、大事な媒体だったそうです。

「ドービニーの版画はたくさん作られました。ゴッホはドービニーに実際に会ったことはありませんが、版画のドービニーの作品を所持し、影響を受けて、ドービニーがアトリエを構えたオーヴェールで晩年を過ごし、《ドービニーの庭》(1890年、ひろしま美術館)を描きました」(小林さん)

展覧会では、初期から晩年までのドービニーの作品60点、そしてカミーユ・コロー、ギュスターブ・クールベ、オノレ・ドーミエ、ドービニーの息子のカールの作品が合わせて20点展示されています。ぜひ、風景画からの癒しや観察力UPのために訪れてみてください!

展示風景より

Information

「シャルル=フランソワ・ドービニー展」

会 期: 2019年4月20日(土)~6月30日(日)
休館日: 月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館、翌火曜日も開館)
会 場: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
(住所/新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
開館時間:午前10時-午後6時(ただし6月25日(火)~30日(日)は午後7時まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料: 一 般 1,300円、大学生 900円 ※学生証をご提示ください
高校生以下 無料 ※生徒手帳をご提示ください
主 催: 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、読売新聞東京本社
協 賛: 損保ジャパン日本興亜
後 援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協 力: エールフランス航空
一般お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
ホームページ:http://www.sjnk-museum.org/

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