組込照明の難しいところ

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数年前にお作りした照明のリピート品を納めてきました。

こちらの照明は、一般に覗きケースと呼ばれるタイプのもの(テーブル上のケースで、上からのぞき込むように展示品を見るもの)です。
覗きケースでは、照明を仕込める場所と展示品が置かれる場所との関係に自由度が少なく、見やすい展示を実現するための打ち手は少なくなるのですが、少しも良い環境を作るためにはケースメーカーとの連携を密にして、照明器具の設置箇所を確保することが肝となります。
光の事だけを考えると、照明器具側に様々な仕掛けを入れ込みサイズが大きくなってしまいますが、これですと作品を鑑賞するのに視界の邪魔になる部分が増えてしまいます。かと行って極小サイズで照明器具を作りますと、光の制御が出来ず、四方八方にだらしなく光をまき散らす、迷惑な照明となってしまいます。このあたりのバランスの取り方に芸を発揮できるところがあろうかと考えています。

こちらは、覗きケースの前側に組み込む照明器具の土台です。給電用の配線はケース製作時に予めガラスの間に挟み込んでもらっています。
空間の制約上、この配線を照明器具に接続するところなどがやっかいなところがあり、実際に組込作業をやってくれる職人さんを見つけるのが難しくて、設計した本人が組込作業をやりに出かけることになります。自分で組込作業することを前提に設計していますので、相当に無理な設計をしちゃっています。

経営の効率性を考えると、もう少し眠い設計にしてでも組込のし易さを優先するべきなのでしょう。
ですが、私たちのようなマイクロ企業は、原理主義者的に尖ったものを作って行かないと生き残って行けないので、多少の手間は生存のための必要コストと割り切って、攻めた設計をし続けるのが正解だと考えます。

余談として・・・・
美術館・博物館の展示用照明にもLEDが使われるようになって、10年近くが過ぎました。
当初は、LEDの演色性(ある規準光と比較して色の見え方を測る指標)だけを売りにして商品の紹介がなされていましたが、LEDも十分にコモディティ化してきた昨今、LEDの光の成分だけでは大した差が付かないのが現実です。照明器具を作っている者の付加価値は、やはりどのような配光の光を作れるかにあろうかと思っています。

 

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