設計

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  • 2019.05.05

製品を作るためのきっかけと熱量

このところ久しぶりに展覧会の照明調整をする機会が続きました。 プライベートな時間に美術館・博物館に出かける時に、解説を読むこと無く会場全体を眺めつつ歩きながら、心に引っかかる作品があると解説を読む事にしています。 この引っかかる作品の殆どは、評価が確立している作者のものだったりします。歴史に名を残す仕事は、他とは違う何かを持っているのでしょうか。 この感覚は照明調整をしているときでも同じ様な事があ […]

  • 2019.04.21

2つめの曜変天目

2年前に京都国立博物館で開催された国宝展にて龍光院所蔵の曜変天目茶碗の展示用照明をお作りするありがたい機会がありました。 この時は照明計画、照明器具の設計と作製、実際の展示照明調整作業、と展示照明全部入りの仕事でした。 今、思い出しても楽しい仕事だったな~と心底思います。 この春、ありがたいことに別の曜変天目を照らす事に係わる事が出来ました。 奈良国立博物館で開催中の藤田美術館展に出品されている曜 […]

  • 2019.04.07

組込照明の難しいところ

数年前にお作りした照明のリピート品を納めてきました。 こちらの照明は、一般に覗きケースと呼ばれるタイプのもの(テーブル上のケースで、上からのぞき込むように展示品を見るもの)です。 覗きケースでは、照明を仕込める場所と展示品が置かれる場所との関係に自由度が少なく、見やすい展示を実現するための打ち手は少なくなるのですが、少しも良い環境を作るためにはケースメーカーとの連携を密にして、照明器具の設置箇所を […]

  • 2018.03.02

せっかくリニューアルするのであれば

全くの新規から作る美術館・博物館での仕事ばかりではなく、照明器具の入れ替えだけの仕事もぼちぼちとございます。 このような仕事の場合、元々の照明は数十年前に納められた蛍光灯器具からの置き換えが殆どです。蛍光灯器具の場合はその配光のバランスがそれほど良くなく、肝心の作品以外の部分の方が明るくなってしまっている状態が多くあります。 LED照明に置き換えれば、それだけで作品が見やすい光になるわけではなく、 […]

  • 2017.09.21

少しだけ目立つクラブ活動

10月3日から京都国立博物館ではじまる国宝展に、技術協力との形でお手伝いさせていただいております。 この様なところに社名が出るような活動は初めての事でして、「ちょっと、派手かな?」なんて思ったりもして、妙な心持ちです。 昨年の暮れ位に、仕事仲間を通じて、この展覧会に出品される作品向けに最適化した照明を作って欲しいとのお話を戴きました。 私自身の大好物系の作品を対象にしての光づくりでしたので、即答で […]

  • 2017.08.21

いい仕事でした。

昨年の秋くらいから参画した、新しい美術館での仕事が一段落しました。 展示設計、照明設計、展示ケース設計、いずれの分野においても、私が知る限り当代随一のプロフェッショナルとご一緒させていただく事の出来た案件でした。 仕事が始まる前は、「言い訳が出来ない仕事だな~」と覚悟をして望みましたが、それぞれの方々の仕事がきれいにまとまり、これまでに見たことの無い、良い展示空間が出来上がりました。 私は照明器具 […]

  • 2017.06.13

保護と鑑賞の折り合い

美術館・博物館での照明を考えて行くときに、必ず議論の対象となるのが作品の保護と鑑賞の矛盾についてです。 作品を少しでも遠くの未来まで残すのであれば、光を当てることなどせずに保管しておく事が最善です。 あくまでも私感ですが、その保管して行くための社会的なコンセンサスを得るためには、社会に広くその作品を知ってもらい、その価値を認めてもらった上で、保管して行くためのコストを負担してもらう事が必要であり、 […]

  • 2017.05.07

光の中に身を置いて眺めたいもの~陶器の照明~

前回の続きみたいなお題です。 美術館・博物館では一般的に鑑賞対象の作品が展示ケースの中に収まっていて、その展示ケースに備え付けの照明器具からの光で鑑賞します。 表明がなめらかな作品の場合、必然的に作品の表面に照明器具の発光面が映り込みます。 また、スポットライトで照らす場合には、陰翳が強調され気味な見え方となってしまいます。 鑑賞対象となる陶器の多くは、茶の湯の席であったり、日頃の生活の中で使われ […]

  • 2017.04.28

つやつや作品のための照明

これまでに絵画、彫刻、工芸などいろいろな作品と向きあう照明器具を作ってきましたが、一番難しいなと感じたのが、なめらかな釉薬がかかった陶器と、状態の良い漆器です。 この両者とも、表面が非常になめらかで、照明器具がバッチリと映り込みます。表面が極度になめらかでない作品ですと、照明器具の映りこみは気にならないので、照明器具の発光面はどんなものでも良いのですが、陶器や漆器ですと照明器具の発光面の形状などが […]

  • 2017.04.26

スポットライトでの気遣い点

美術館・博物館で使われる照明器具の主役としてはスポットライトになるかと思います。 天井からぶら下がっていて、光の範囲が割と狭いタイプの照明器具ですね。 私がスポットライトを作るときには、先ずはその光の拡がり方に気を付けています。 具体的に気を使うポイントとして、海外で見かけたちょっと宜しくない感じの光を例に説明しますと、 第一は光の周辺部のスムースさです。 通常、スポットライトからの光はその中心部 […]