道楽

奥深い備前刀の世界と曜変天目、日本刀の華備前刀展

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日本刀の華 備前刀@静嘉堂文庫美術館

静嘉堂文庫美術館で2019年4月13日~6月2日まで開催中の『日本刀の華 備前刀』展、そのブロガー内覧会に参加しました。三菱第二代社長である岩崎彌之助とその息子である三菱第四代社長小彌太の蒐集したコレクションを所蔵する静嘉堂文庫美術館。その中でも彌之助が幅広い分野を蒐集した絵画、彫刻、書跡、漆芸、茶道具、刀剣などの中から、今回は備前刀の展示です。

当日は日本刀剣保存会 幹事の吉川永一さん、静嘉堂文庫美術館 学芸員の山田正樹さん、そして青い日記帳のTakさんのトークショーもあり、日本刀についていろいろなお話が伺えました。その内容も少しご紹介いたします。

※特別な許可を得て写真撮影しております

刀の保存

日本刀剣保存会 吉川さんは御祖父から三代に渡って宮内庁の刀剣の手入れもされているプロ中のプロ。Takさんはまず刀の手入れについて質問されていました。

「刀の保存はとても厄介です。鉄は錆びるのが仕事なので、年に4回、湿気があれば月に一回は油の塗り替えが必要です」(吉川さん)

「普通、刀は白鞘(保管用の木の鞘)で保存します。刀にとって寝巻のようなものです。時代劇で見るような拵えはよそ行きの服を着ているようなものです。刀は錆びを止めるために、油を塗って酸化被膜を作り、唐木等で作られる白鞘で保管することで刀身を錆びさせないようにします」(山田さん)

「宮内庁の刀は土蔵で堀に近いところなので、月に2回は手入れが必要です。時代劇で白い道具でポンポンと刀を手入れするシーンを見たことがあるかもしれませんが、あれは手入れのために砥石の粉を付着させ、古い油を取っています。打ち粉の作成も研ぎ師の仕事でした。しかし、現在では打ち粉が刀の傷になってしまうことから、使っていません。今は無水エタノールで2~3回拭いています。その方が傷がつきにくいんです」(吉川さん)

備前刀とは

Takさんから今回の展覧会についての質問です。そもそも備前刀とはどういった刀を指すのでしょうか。

「平安時代から関ケ原前の刀を古刀(ことう)と呼び、それ以降の刀を新刀(しんとう)と呼びます。」(山田さん)

「5つのメジャーな地域を五箇伝(ごかでん)といい、大和(奈良県)・山城(京都府)・備前(岡山県)・相州(神奈川県)・美濃(岐阜県)の5か所を指します。その中でも1番の産地が備前です。岩崎彌之助が日本刀を蒐集し、静嘉堂文庫美術館では120振りが現存し所蔵しています。(うち備前刀4割、重要文化財4件、重要美術品12件)備前刀を蒐集したのは鑑定士今村長賀(いまむらちょうが)の影響と言われています。

今回の展示はすべて古刀で一番新しいものでも室町時代のものです」(吉川さん)

鑑賞のポイント

「長船が並ぶのがそもそも珍しいことです。また、太刀の名残である腰反りや丁子刃は備前刀の特徴です。刀好きの憧れである備前刀の古刀が並ぶ贅沢な展示です。

鑑賞に当たっては、全部を見て理解しようとするとこんがらがってしまいます。次に見たときに思い出せるようなお気に入りの2、3振りを探すのがおすすめです」(吉川さん)

青い日記帳のTakさん、日本刀剣保存会 幹事の吉川永一さん、静嘉堂文庫美術館 学芸員の山田正樹さん 貴重なお話をありがとうございました!

また、来場の際に図説・刀剣鑑賞の手引きという資料がいただけます。刀の種類、時代区分、各部名称、そして刀の見どころについて、わかりやすく解説されています。

そして、展示室内でもより鑑賞が楽しめるように、各刀の見どころについての解説もあります。

 キャプションで見どころの解説もあるため、私のような初心者にはありがたかったです

曜変天目

展示風景より

静嘉堂文庫美術館の所蔵する曜変天目も展示されています。日の光の下で曜変天目が見られます。

備前刀も曜変天目もこんなに古いものが、きれいな形で残されていて、圧倒されました。

新緑の中、気持ちいい空間で備前刀と曜変天目を見に行くのもよろしいかと。講演会や静嘉堂コンサート、静嘉堂ガーデン(ビアガーデン&カフェ)などのイベントもあります。

Information

「日本刀の華 備前刀」展

会場:静嘉堂文庫美術館

会期:2018年4月13(土)~6月2日(日)
休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
※20名様以上の団体は200円割引

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