照明器具の設計とは?~少し抽象度上げてのまとめ

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照明器具を設計するという作業はどのような事なのか?
少し立ち止まって考えてみました。

あくまでも弊社レベルの規模の企業が照明器具を作る場合を想定しています。

照明器具の中身をエネルギーの流れに沿って抽象的に考えてみると下図のようになります。

光の目的から照明器具を考える場合には、まず光源を決めます。
今日では、LEDということになります。
多くの場合は、数多あるLEDの中から目的の光を作るのに最も適したものを選択します。時には、カスタムでその目的専用のLEDを作ってもらう場合もあります。

次にこのLEDを駆動させるための電源を決めます。
LEDは直流電源(電池からの電気みたいなもの)で点灯しますが、そこに流れる電流の量を適切にコントロールしてあげる機能が必要となります。
市販されているものを選択したり、電源メーカーさんに仕様を出して、専用品を作ってもらう場合もあります。LEDのカスタム品を作るのに比べればはるかに気楽に専用品を作る事が出来ます。

そして、発光した光を所定の目的通りに飛ばすための光線制御要素、難しく書きましたが、レンズやミラーの事です。
こちらも、LEDの時代になってから驚くほど多くの製品が専用メーカーから販売されています。しかしながら買ってきてそのまま使えるケースは少なく、あちらこちらに小細工をして望みの光を作っていきます。
市販のもので適したものがない場合には、光学設計をして、ミラーやレンズを専用のものとして作ります。

最後に、これら3要素を安定して使えるような形に保持できる機構の設計があります。
この機構設計が照明器具の設計を取りまとめる役目になります。

大きなメーカーの実情は存じ上げませんが、弊社では基本的にこれら一連の作業を1人の設計者でこなします。
照明器具の3要素、
光源、電源、光線制御要素
の3つともゼロから設計するためには、それ相応の技術的知識が必要となります。
弊社の様な規模の照明器具メーカーで設計者として仕事をするためには、これらの仕様を理解し、目的に照らして判断するレベルの知識を持つつ、機構設計が出来る技量が必要になってきます。

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