試作を通しての光の作り方

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腰の高さくらいで、上から覗いて展示品を鑑賞するようなケース(通称:平のぞきケース)向けの照明試作検討を行いました。

照明器具そのものは社内にあった、これまでに作ったものを使い、建築設計等の意向で導き出された寸法のケースにおいて、その中で許される範囲で、最も作品が見やすくなりそうな位置に照明器具を配置しその時の光の按配を検証します。

光の善し悪しの最終的は判断は、実際に展示される作品をその空間の中に置き、きちんと見えるかどうかとなります。
この判断の前に照明屋として狙っていくのは、
○展示エリアをむら無く均一に照らすことが出来るのか?(均斉度)
○見る人の眼に、照明器具からの光が直接入らないか?(器具グレア)
などの点です。

器具グレアについては、CADの中で作図すれば直ぐに判ることなので、わざわざ実験をするまでもありません。
しかし、均斉度に関しては実験する必要があります。
PCの中での光学シミュレーションでやりきれれば楽なのですが、どうしても照明器具の光を適度に拡散させておく必要があるために、諸々のフィルターなどで調整をしています。このフィルターの特性をシミュレーターで正確に再現するのにはめちゃくちゃ手間とお金がかかるので、実物を使っての実験の方が手っ取り早く確実です。

均斉度の測定に関しては、ある程度目視で合わせ込んだ後に、照度計でポイントを測っていました。昨年の暮れにリアルタイムで輝度(対象の明るさ度合い)を画像的に観察できるカメラを導入したので、これを使いました。

目で見ていても大方判るのですが、測定器を通して、色の分布で表現をされるととても判りやすく、チューニングする時間の短縮が出来ました。
何事も適切な道具があると仕事が進むものです。

ここまで確認作業をして、本番に臨むときはかなり気楽になりますので、更にこうした実験が気軽にできる様に道具立てを含めて環境整備を図って行きます。

こうした作業は楽しいですしね。

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