色の感覚の校正するための旅

NO IMAGE

12年ぶりにロンドンに来ています。
年に一度くらいは外国に出かけて、いろいろな美術館をおきたいと考えていますが、昨年は出かけられず、美術館見物を目的にした旅行は2年ぶりです。

欧米の美術館を見に出かける大きな目的は、外光を導入している展示室の中で様々な色の作品を見ておきたいからです。


こちらはThe Courtauld Galleryです。
熱心に鑑賞されている絵はマネのフォリー・ベルジェールのバーです。
その両脇を沢山のセザンヌが固めている、なかなかに贅沢な展示室です。

写真にあるように、スクリーンこそかかっていますが、外の光が注ぐ展示室でして、日本の美術館の一般的な環境とは大きく異なる環境です。

これらの絵が描かれた時代では、鑑賞用の光はまだまだ太陽光が一般的だったと思います。作家の意図を少しでも多く受け取るには、このような光で見ることが一番良いのかなと思います。

私どもの規模の照明器具屋としては、照明器具から出る光の分光分布をコントロールする事はちょっと敷居が高いのですが、より理想的な分光分布の光源(≑LED)を選ぶことは出来ます。その選ぶ時に正しい物を選べるように、意識的にこのような光の基で沢山の作品を見ておき、自身の中での色の常識を校正しておく作業は大切な事かと考えています。

・・・・自分の趣味を少しでも正当化するために屁理屈めいた事を書いて見ました。

 

※美術館・博物館での照明を作ってみたい方を募集しています
株式会社キテラスでは美術館・博物館で使われる照明器具を作りたい方を募集しています。
ご興味のございます方はこちらをご覧下さい。

 

関連記事

  • 少しでも楽をするために少しでも楽をするために 展示ケース内の照明を作る上で、求められる特性として代表的なものに壁面照度の均一度があります。この調整をするのに、当たりを付ける調整は目視で […] Posted in 設計
  • 案外、照明器具側だけでも改善するものです案外、照明器具側だけでも改善するものです 照明器具を作る事を生業としている身でありながら、展示空間の善し悪しを決める要素として、照明器具の作りそのものは大した比重がないものと理解し […] Posted in 照明
  • 謹賀新年謹賀新年 明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いいたします。 この年末年始は、創業以来はじめてまともに仕事を休みました。 こ […] Posted in 経営
  • 試作を通しての光の作り方試作を通しての光の作り方 腰の高さくらいで、上から覗いて展示品を鑑賞するようなケース(通称:平のぞきケース)向けの照明試作検討を行いました。 照明器具そのもの […] Posted in 照明, 設計

照明カテゴリの最新記事